※平成22年4月1日から施行された「行方不明発見活動に関する規則」により、昭和51年12月4日から施行されていた「家出人発見活動要綱の運用について」を廃止
それによって、「家出人・行方不明者捜索願 ➡ 行方不明者届に変更されました。」「行方不明者」とは、自らの意思で生活の本拠を離れ、その行方が明らかでない者を言います。
日本での行方不明者届の受理数は年間8万件前後あり、届出を出せれていない数を含むと10万人を超えると言われています。10代の未成年者の行方不明者が1番多く、次に70代20代となっています。家族の突然の家出は、不安と心配で毎日眠れない日々が続いてしまう事でしょう。
早く見つける為には、まずいなくなった時点で最寄りの警察署に行方不明者届を出してください。ここでは、行方不明者の捜索願を出す方法(行方不明者届)と、捜索願(行方不明者届)を出すことで警察署が分類する行方不明者の捜索対応をわかりやすく説明していきます。
捜索願(行方不明者届)の基本
大切な家族や身内の失踪や家出に気づいた時には、迷わず最寄りの警察署に捜索願を出すことです。捜索願を出すことが大袈裟と考えてしまう人もいらっしゃいますが、万が一のことを考えて届出を出すことが賢明です。もし、何事もなく家に戻ってきたとしたら、捜索願を取り消してもらえばいいのです。
捜索願をだすタイミングは、いなくなってから2日~3日も連絡がない場合。いつもの状況とは違うと違和感を感じた際にはためらうことなく捜索願を出してください。
捜索願を出す場所は、行方不明者の住居地、もしくは届出人の住居地の最寄りの警察署で受理してくれます。
- 行方不明者の住居地を管轄する警察署
- 行方不明になった住所の所轄の警察書
- 行方不明者届を出す方の住居地の警察署
警視庁
捜索願い(行方不明者届)を出す方法
行方不明者届提出の流れ
1.最寄りの警察署に連絡
行方不明者の事案が発生したら、すぐに最寄りの警察署に連絡してください。
2.必要情報の準備
行方不明者の詳細な情報を準備します。これには氏名、年齢、性別、身長、体重、特徴的な身体的特徴、最後に着ていた服装、持っていた物、精神的・身体的健康状態、最後に見かけた場所と時間、行方不明になる前の状況などが含まれます。
3.捜索願いの提出
警察に直接出向き、行方不明者届を提出します。必要に応じて、写真やその他の識別が可能な情報(歯科記録、DNAなど)を提供することが求められる場合があります。
4.届け出の詳細を確認
提出した届け出の詳細を確認し、受理番号や担当者の連絡先を控えておきます。
5.追加情報の提供
行方不明者に関する新たな情報が得られた場合は、すぐに警察に連絡して情報を更新します。
6.警察以外の機関への相談
必要に応じて、NPO法人や行方不明者の捜索を支援する団体にも相談することができます。
7.継続的なコミュニケーション
警察と定期的にコミュニケーションを取り、捜索の進捗について確認します。
捜索願いを出す際には、行方不明者が未成年者や高齢者、または何らかの危険にさらされている可能性がある場合、警察は特に迅速に対応することが多いです。
捜索願(行方不明者届)を出せる人
行方不明者届は誰でも出せる訳ではありません。主に親族の方となりますが、本人と深く関わっている方であれば届出を出すことが出来ます。本人に身内がいない場合には、保証人や住居の大屋さんでも可能です。
捜索願(行方不明者届)の提出者
1.親族
行方不明者の家族である配偶者、両親、子供、兄弟姉妹など。
2.同居人
行方不明者と同じ住所に住んでいる人物で、その安否に深い関心を持っている人。
3.保証人
行方不明者の金銭的な保証人や、何らかの形で行方不明者の責任を負っている人。
4.家主・大家
行方不明者の住居を提供している家主や大家。
5.福祉事務所
(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。)の職員その他の行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
6.関係者
行方不明者と密接な関係にある友人や職場の同僚、恋人など。
7.法定代理人
行方不明者の法的な代理人、例えば後見人など。
行方不明者届は、行方不明者本人の安全と権利を守るために、また誤った情報が流布されることを防ぐために、一定の関係性を持つ人に限定されています。ただし、行方不明者に身内がいない場合や、その他特殊な事情がある場合には、例外的に他の人が届け出をすることも可能です。この場合、警察は提出者の行方不明者との関係や事情を考慮して、届け出を受理するかを判断します。
また、届け出をする際には、警察との協力が必要になりますので、提出者がどのような立場であるかを明確にし、行方不明者との関係性を証明できる書類や情報を準備しておくことが大切です。また、行方不明者本人の安全を最優先に考え、慎重に行動することが求められます。
捜索願(行方不明者届)の提出に必要な物
行方不明者届を出す提出者の身分証明書、印鑑、本人の情報をわかる範囲でできるだけ詳しく説明する事で発見率が高くなります。
- 氏名、住所、連絡先、続柄
- 身分証明書、印鑑
- 行方不明者の写真
行方不明者情報
- 氏名 年齢 住所 本籍
- 人相、体格、服装
- 職業
- 携帯電話の番号
- 車両使用の場合、車種、ナンバー
- 家出の日時
- 原因と動機
- 所持金
- その他情報
捜索願(行方不明者届)を提出する事での警察の動き
警察は行方不明者届を受理した後、以下のような対応を行います。
1.捜索の優先度の決定
行方不明者の年齢、健康状態、失踪の状況などに基づいて、捜索の優先度を決定します。
2.情報のデータベース入力
受理された情報はデータベースに入力され、全国の警察機関で共有されます。
3.捜索活動の開始
最後に目撃された場所や、行方不明者の可能性がある場所に対して、警察官や捜索犬を使った捜索活動が開始されます。
4.情報公開の検討
家族の同意を得た上で、行方不明者の情報をメディアを通じて公開し、一般からの情報提供を呼びかけることがあります。
5.定期的な情報の更新と共有
捜索活動中は新たな情報が入手されることがあります。これを随時更新し、関係する機関と共有します。
行方不明者届を出すと、警察では発見活動規則により一般行方不明者と特異行方不明者の2つに分類します。一般行方不明者は、本人の意思で住居地を離れて行方が分からなくなった者をいいます。
未成年の家出や、借金、異性問題、仕事や家庭でのトラブルによる家出は一般行方不明者に分類されます。
一般行方不明者の対応
一般行方不明者に分類されると積極的に捜索はされません。警察官の通常業務の中で補導や職務質問、また交通取り締まり等で発見した場合に限り、保護、または発見状況の報告になります。
未成年の場合には保護されますが、成人の場合には本人の主張が優先されますので警察官は届出者に発見した場所などの状況報告のみとなります。
特異行方不明者の対応
特異行方不明者に分類されると警察官は規則に基づき発見活動を積極的に行い、聞き込みや状況に応じて公開捜査を行います。では、特異行方不明者とはどう言う状況を指すのか説明していきます。
特異行方不明者とは
行方不明者発見活動に関する規則第2条第2項では、以下の者を特異行方不明者としている。
- 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
- 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
- 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
- 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
- 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
- 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
特異行方不明者については、行方不明者発見活動に関する規則第20条 - 第24条に基づき、受理署長が行うべき措置や特異行方不明者手配に関する手続を行います。
上記の様に犯罪や事件事故に巻き込まれている恐れや、自殺、殺人に発展する様な場合に「特異行方不明者」と分類されます。特異行方不明者に限って発見活動を積極的に行いますが、捜索しても見つからない場合には捜索は打ち切りになります。
発見率を左右するのは、「届出をいつ出したか」にかかっています。いなくなってから1週間以内の届け出であれば発見率は高くなりますが、10日以上も経ってからの届け出は発見率が下がります。
まとめ
行方不明者届出を出して「一般家出人」に分類された場合は、警察官の通常業務のパトロールで発見されない限り見つかりません。自分の意思で家出をした場合には、捜索願を出されたことは理解しているはずです。警察官のいない場所や警察官から逃げるように身を隠しているのでしょう。
まして、未成年であれば犯罪に巻き込まれている可能性も否めません。そうなってしまうと、事が起こってからの発見となってしまいます。その様な状況ではいくら待っていても見つかる保証はないのかもしれません。一般行方不明者と分類された場合には、警察をあてにする事なく早急に見つけてあげる事が必要です。
万が一、トラブルや犯罪に巻きこまれてしまうと、取り返しのつかない事になってしまいます。人探しでお困りの際には信頼できる探偵にご相談ください。